業務使用に必要なワインセラーの選び方。おすすめ大型・小型セラーも

ワインの品質を最適に保つためには、適切なワインセラーの選択は重要である。特に業務用として使用する際、家庭用ワインセラーを選択肢に入れる方は少ないだろう。
しかし家庭用ワインセラーの中には、耐久性と堅牢性、使いやすさなどを理由に業務用でも使用されているモデルが存在する。例えばフォルスタージャパンの製品は、個人ユースを目的とした家庭用がメインであるが、ホテルやレストランなどでも導入実績がある。
このように、家庭用・業務用という区分ではなく、本当に検討すべきポイントは、ほかにあることを当コラムにて少しでもお伝えできればと思う。
業務使用として必要なワインセラーの特徴
業務使用で必要なワインセラーを選ぶ際には、主に以下4つの特徴を重視することが大切だ。
棚間隔の広さ
業務用としてワインセラーを使用する場合、店舗の規模や業務形態にもよるが、大量のボトル収納は当然のこと、さまざまなサイズや形状のボトルを加味して効率的に収納する必要がある。また、棚卸しの際にワインラベルが見やすいか、取り出しやすいか、スライドレールの操作がしやすいかなども必要条件になってくる。
つまり、棚間隔が広いセラーであれば、異なるボトルサイズにも柔軟に対応でき、取り出しやすさも向上するため業務の効率化が図れる。
LED照明の採用
庫内の照明としてLEDを採用しているワインセラーは、明るく見やすいだけでなく、長寿命で省エネ性能も高い。さらに、LEDは発熱が少なく、庫内の温度維持にも寄与する点においてメリットが多いといえる。

前面放熱設計
前面放熱機能を備えたワインセラーは、左右や背面に放熱スペースを必要としないため、限られたスペースに設置しやすいメリットがある。設置スペースは最小限に抑えるに越したことはないため、スペースを有効活用できる前面放熱設計は家庭用・業務用ともに重宝する。
サイドガードフレームの有無
サイドガードフレームがあるワインセラーは、扉の破損を防ぐ設計となっており、耐久性が高い。頻繁に開閉する業務環境において、長期間にわたり安定した使用が期待できるのは嬉しいポイントだ。
業務使用に必要なワインセラーの選ぶポイント
業務使用に必要なワインセラーを選ぶ際には、以下2つのポイントを考慮することが重要である。
用途に合うか
まずは、ワインの保管目的や期間を想定し、用途にあった適切なワインセラーを選ぶことが大切だ。例えば、頻繁にオーダーの出ないワインや高級ワイン、長期熟成を目的としている場合などは、温度だけでなくコルクの状態も考慮する必要があるため、湿度を維持してくれる加湿機能が備わった製品選びは欠かせない。
さらに、業務用であれば耐久性や保証内容についてもよく検討したい。業務用となれば家庭用以上に触れる機会も多く、突発的な事態による破損の恐れも十分に考えられる。また、仮に破損や不具合が起こった際の保証内容についても業務用と家庭用で異なるケースがあるため事前によく確認しておく必要があるだろう。
収納本数や空間に適した大きさか
業務用では設置スペースも限られてくるため、保管したいワインの本数や、設置場所のスペースに応じて、ワインセラーのサイズを選ぶことが重要である。ワインセラーの収納本数は、一般的にボルドー型ボトルを基準に算出されているため、実際の収納本数はブルゴーニュ型ボトル、スパークリングワインなどを加味して若干変動すると考えた方が良い。
さらに、熟成用ワインも保管する場合はどの程度の期間保管するかも検討しておきたい。こうしたケースを踏まえても、やはり保管したい本数+αの余裕を持った容量のセラーを選んでおくと、大は小を兼ねて安心だろう。
>収納本ごとのおすすめワインセラーはこちら
またロングフレッシュシリーズはボトルを斜め置きにして、手前にラベルを見せる陳列も可能だ。この仕様により、ホテルや高級レストランでの導入が実現している。
ほかにも収納本数というセラーの内的要素に加え、外的要素も特にレストランなどの業務用環境では重視したいところだ。
ワインセラーは単なる保管庫としてだけでなく、インテリアの一部としての役割も果たす。設置場所のスペースやデザイン、色合いなど、店舗の雰囲気と調和するセラーを選ぶことで、顧客への視覚的な印象を高めることができる。

フォルスター製品の店舗導入事例
フォルスタージャパンのワインセラーは、その高い品質と安定した性能により、多くのホテル、高級レストラン、小売店などで業務用として活用されている。
ここでは、実際の導入例を参考に好評価のポイントを押さえていく。
ホテルでの導入事例
一部の高級ホテルでは、フォルスターのワインセラーを導入することで、ワインの最適な保存環境を確保している。高い機能性とインテリア性を評価されているが、故障の少なさや充実したアフターサービスも好評価につながっているようだ。

スタジアムシティホテル長崎 LES CINQ SENS
レストランでの導入事例
高級レストランでは、ワインリストに掲載するワインの品質を安全に保つ以上に、提供時の温度管理が求められる。「フォルスターはいつでも一定の温度」とトップレストランのソムリエも語るほど、フォルスターのセラーが夏場でも一定の温度下での保存を実現するほど温度管理技術に優れていることがわかる。

ASAHlNA Gastrome (アサヒナガストローム)
小売店での導入事例
ワインショップや酒販店でも、フォルスターのワインセラーは活躍している。ワインの品質管理は販売に直結するため、適切な温度・湿度での管理は必要不可欠。同社のセラーを導入した店舗では「全てにおいてバランスが良く、アフターサービスも充実」という声が上がっており、特に価格に対してのパフォーマンスと素早いアフターサービスが業務用における満足度を高くしているようだ。

WINE MARKET PARTY
このように、フォルスターのワインセラーは店舗においても高い評価を得ており、ワインの品質管理にこだわる店舗や施設に適した選択肢となる。店舗などでワインセラーの導入を検討している場合、フォルスター製品は有力な選択肢の一つといえるだろう。
フォルスター製品を使用いただく際の留意点
フォルスターのワインセラーは、ホテルや高級レストランでも導入いただいているが、設置場所や使用環境には注意が必要である。
まず、製品の安定性を保つため、ワインセラーの重ね置きは避け、並列配置か専用ラックの使用が推奨される。また、そのほか家電製品同様に、屋外や水場への設置は温度変化や湿気、水気による故障の原因となる。
さらに、海沿いの地域では塩害対策、温泉地では硫黄対策として、定期的なメンテナンスと適切な換気が必要だ。電源面では、過電流や発熱による火災リスクを抑えるため、タコ足配線は避け、専用の電源を確保するのが望ましい。
フォルスターの強み
ワインの味わいは繊細であり、温度や湿度のわずかな変化が後々の品質に大きな影響を与える。そんな中、フォルスターのワインセラーが多くのワイン愛好家やプロフェッショナルから支持される理由は、その技術力と品質へのこだわりにある。
フォルスターの長年の研究に基づく温度・湿度管理技術は、ワインの最適な保存環境を実現するうえで欠かせない要となっているのだ。
詳しくはこちら
フォルスターでおすすめのワインセラー(大型・小型)
それでは、これまで述べてきた内容を踏まえたうえで、実際にフォルスターが展開する店舗導入の実績がある大型および小型のおすすめモデルを紹介していく。
<大型>LongFresh®(ロングフレッシュ)シリーズ
フォルスターのフラッグシップモデルであるLongFresh®シリーズは、ハイスペックな機能と最長5年のアフターサービスを提供するなど、高い信頼性を兼ね備えている。
<小型>Essential(エッセンシャル)シリーズ
Essentialシリーズは、コンパクトながら高い収納力を持ち、家庭用としてだけでなく、小規模な店舗やバーなどでも導入されている。29本収納タイプなど、スペースに応じたモデルが選択可能である。
業務用にこだわらずに、適したワインセラーの購入を!
ワインセラーを業務用として導入する際、「業務用」という区分にこだわってしまうと選択肢が非常に限られてしまうかもしれない。結論として「業務用」「家庭用」の区別より、自身のニーズに合った機能を持つ製品を選ぶことが、良いワイン管理につながる。
例えば、フォルスターが提供する家庭用ワインセラーのように、耐久性や堅牢性があり、時際に店舗で活用されている家庭用製品がその良い例だ。
短期のストック管理や小規模店舗なら小型モデル、長期的保管も必要であれば温湿度管理に優れたモデルのように、用途に応じた選択をしてみてはいかがだろうか。

ライター紹介

田中 純平 (Junpei Tanaka)
J.S.A認定SAKE DIPLOMA
WSET Level3
大学時代のスペイン留学中にワインの魅力に囚われ、帰国後はスペイン語とワインの二足の草鞋を決意。在学中にヴィノスやまざきでインターンを経験し、同年にワイン関連の資格を諸々取得する。卒業後はフリーランスとして独立し、スペイン語レッスンや(株)楽天グループの翻訳担当を経て人気ソムリエが監修を務めるお酒のウェブメディアや西日本新聞社運営の焼酎メディアにて監修ライターを務める。現在は副業にて、ワインD2C会社であるHomewineに携わり、ワインに関する相談にお答えするソムリエコンシェルジュサービスを担当中。